介護保険
●介護保険制度について
介護保険制度は、超高齢社会に対応するために2000年4月から始まりました。
40歳以上の人を被保険者とした、市町村が運営する強制加入の公的社会保険制度です。
被保険者になると保険料を納め、介護が必要と認定されたときに費用の一部(原則1割)を支払って
介護サービスを利用できます。
介護保険制度は、今までの行政主導の措置制度とは違い、利用者が直接介護サービス事業者と
契約をしてサービスを選択できる「利用者本位の仕組み」であることが大きな特徴です。
また、民間企業や市民参加の非営利組織など多様な事業者の参入が可能なことも特色の
一つです。
◎介護保険制度の被保険者の分類
第一号被保険者・・・65歳以上の人
第ニ号被保険者・・・40歳以上65歳未満の人で、医療保険に加入している人
◎徴収方法
第一号被保険者・・・公的年金からの天引き、納付用紙などでの支払い
第二号被保険者・・・国民健康保険や健康保険などの公的医療保険の保険料に上乗せされます。
◎介護保険料
第一号被保険者・・・各市区町村の基準額に、課税額や収入等によって一定の料率を掛けて算出されます。
第二号被保険者・・・加入している公的医療保険によって、保険料が異なります。
国民健康保険加入者
保険料は各市区町村及び所得や資産等に応じて料率等が異なります。
世帯主が、同世帯員の分も負担します。
政府管掌健康保険加入者(厚生年金・共済年金等)
平成18年度の介護保険料の料率は1.23%だそうです。これを健康保険の保険料に上乗せされます。
会社勤の人は保険料の支払いがは会社と折半のため、事業主が半分を負担します。
任意継続被保険者の場合は全額自己負担となります。
配偶者など被扶養者の分は、健康保険同様に個別に保険料を納める必要はありません。
健康保険組合の健康保険加入者
健康保険組合に加入している人の介護保険料率は、各健康保険組合によって異なります。
●介護保険の利用方法
①書くし町村の相談窓口に相談します
②本人または家族(申請代理人)が市町村へ要介護認定の申請を行います
③市町村の職員(調査員)が訪問して本人に心身の状況に関する聞き取り調査等を行います
④申請書に記載しされた主治医によって作成された意見書を提出します
⑤介護認定審査会で専門家による審査が行われます
⑥非該当~要介護5までのランクで認定結果の通知があります。
※判定に不服がある場合は、市区町村の介護保険認定係に相談をしてください。
納得いかない場合は「介護保険審査会」に申し立てを行い、再度判定をしてもらうことができます。
●認定基準
第一号被保険者の場合
①要介護にならないように介護予防を重視し、自立を促がすための「新予防給付サービス」を受ける事が出来ます。
要支援1・・・食事やトイレなど、日常生活はほぼ自力で送ることが出来るが、何らかの支援が必要な人
要支援2・・・食事やトイレなど、日常生活はほぼ自力で送ることが出来るが、要支援1の状態よりも支援が必要な人
②介護給付を受けて介護サービスを受ける事が出来ます。
要介護1・・・食事や衣類の着替えなどは自分で出来るが、日常生活で何らかの介助を必要とする人
要介護2・・・食事や衣類の着替えなどは何とか自分で出来るが、トイレやお風呂などに介助を必要とする人
要介護3・・・トイレやお風呂に全面的な介助を必要とし、食事や衣類の着替えにも介助が必要な人
要介護4・・・食事やトイレなど、生活全般において全面的な介助が必要な人
要介護5・・・全面的な介助がなければ、生活全般が不可能な人
認定外になった場合でも、要介護・要支援になるおそれがあれば、市区町村の「介護予防サービス」を
受けることができる「特定高齢者」として介護予防のプログラムが提供され、年1回の健康診断等を通じて
介護保険の認定対象になっていないか定期的なチェックが行われます。
第二号被保険者の場合
脳卒中、初老期における認知症など、特定16疾病に起因する介護状態になった場合に認定が
受けられます。それ以外は見とめられないので注意が必要です。
認定の基準は第一被保険者と同じです。特定16疾病とは次の通りです。
1.初老期における認知症(アルツハイマー、ビック病 、脳血管性認知症、クロイツフェルト、ヤコブ病など)
2.脳血管疾患(脳出血、脳梗そくなど)
3.筋萎縮性側策硬化症(ALS)
4.進行性核上性まひ、大脳皮質基礎核変質症、パーキンソン病)
5.せき髄小脳変性症
6.シャイ・ドレーガー症候群
7.糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害
8.閉そく性動脈硬化症
9.慢性閉そく性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支ぜんそく、びまん性汎細気管支炎)
10.両側の膝関節、または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
11.関節リウマチ
12.後縦靭帯骨化症
13.背柱管狭窄症
14.骨折を伴う骨粗しょう症
15.早老症(ウエルナー症候群)
16.小児ガンをのぞく末期ガン
※規定変更などにより内容が変更となる場合があります
●介護サービスの種類
介護サービスには次の3種類があります。
介護給付(介護サービス)・・・要介護対象者
予防給付(介護予防サービス)・・・要支援対象者
市町村特別給付(市町村独自のサービス)
介護給付と予防給付のサービスを受けるには、ケアプランが必要となります。
また、介護給付には“施設サービス”と“在宅サービス”。予防給付には“在宅サービス”があります。
それぞれの内容をまとめてみました。
◎ケアプラン
要介護・要支援が認定されたら介護サービスを受けるために、利用者にあった介護サービスの
計画書である『介護サービス計画作成(ケアプラン)』をケアマネージャーと一緒に相談しながら作成します。
介護サービスはこれを元に行われます。
◎施設サー-ビス
要介護の人が受けられるサービスです。特定養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型病床
の施設に居住して必要に応じた介護サービスを受けることが出来ます。
◎在宅サービス
①訪問介護
ホームヘルパーが自宅に訪問して、食事、お風呂、トイレなどの手助けを行うサービスと、炊事、洗濯、掃除などのサービスを受けることができます
②訪問入浴
入浴設備を積んだ移動入浴車などでが自宅を訪問し、入浴のお手伝いをします。
③訪問看護
看護師が自宅を訪問して、主治医の指示で看護を行います。
④訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が自宅を訪問して、機能回復の訓練を受けれます
⑤訪問診療
通院が出来ない人をが対象で、医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士が自宅を訪問して治療や指導を行います
⑥通所リハビリテーション
主治医の指示で、介護保健施設や医療施設で機能訓練を受けることができます
⑦通所介護
デイサービスセンターなどで健康チェック・日常生活の動作訓練・機能訓練・入浴サービスなどが受けれます
⑧短期入所生活介護
介護が必要な人短期間、特別養護老人ホームなどの施設で介護します。連続して利用できる日数は30日です。
⑨短期入所医療介護
医学的管理の必要な人を短期間、老人保健施設・医療施設などで介護します。連続して利用できる日数は30日です。
⑩特定施設入所者生活介護
有料老人ホームなどに入所している人に対して施設が行う介護サービスです
⑪福祉用具レンタル
心身機能が低下し日常生活に支障のある人へ福祉用具のレンタルを行います
⑫特定福祉用具販売
心身機能が低下した人がお風呂やトイレ(排泄)などに行うための、厚生労働省が定める特定介護予防福祉用具の購入費の支給じ
⑬住宅改修費
手すりの取り付けや段差解消などバリアフリーを目的とした住宅改修についての費用の補助があります。補助は費用の9割で、残りの1割は自己負担です。
⑭地域密着型サービス
高齢者が住みなれた地域で生活を続ける事が出来るように、地域ごとサービス拠点をつくりサービスを行っています。
・認知症対応型通所介護
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・小規模多機能型居宅介護 通
・夜間対応型訪問介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
●介護サービスの費用
介護サービスを利用するための費用は原則として1割を自己負担します。残りの9割が保険で給付されます。
認定された要介護状態の区分以上のサービスを利用した場合は、超過分の費用の全額を自己負担します。
ケアマネジメント費用は全額給付されます。支給額は、要介護・要支援の認定度により異なります。
それぞれが、1カ月で受けることの出来る介護サービスの支給限度額は以下の通りです。
(介護サービスは単位決められています。1単位の単価は10円~1.6円です)
要支援1・・・ 4,970単位(約5万円)
利用できるサービス:介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス
要支援2・・・10,400単位(約11万円)
利用できるサービス:介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス
要介護1・・・16,580単位(約17万円)
利用できるサービス:在宅サービス・地域密着型サービス・施設サービス
要介護2・・・19,480単位(約20万円)
利用できるサービス:在宅サービス・地域密着型サービス・施設サービス
要介護3・・・26,750単位(約27万円)
利用できるサービス:在宅サービス・地域密着型サービス・施設サービス
要介護4・・・30,600単位(約31万円)
利用できるサービス:在宅サービス・地域密着型サービス・施設サービス
要介護5・・・35,830単位(約37万円)
利用できるサービス:在宅サービス・地域密着型サービス・施設サービス
◎全額利用者負担となるもの
①施設サービスの食費・居住費は全額自己負担になります。
②短期入所サービスの食費・滞在費は全額自己負担になります。
③通所サービスの食費は全額自己負担になります。
④理美容代、教養娯楽費など日常生活で必要となる費用や日用品などは原則として自己負担になります。
⑤本人の希望による特別なサービスや居室、食事などは介護サービス適用以外の超過分を全額負担します。
⑥遠隔地にある事業者の交通費や送迎費などは全額自己負担になります。
●利用者負担の軽減制度
介護保険制度にはいろいろな軽減制度があります。自己負担額が重いと感じる人は自分が軽減措置の
対象となるか各市町村の窓口に相談してみましょう。
介護保険制度について簡単にまとめてみましたが、2000年4月に始まって以来、定期的に
見直しが行われています。その度に、保険料・対象サービス・サービス費用に変更があるようです。
自分が利用する事になった場合は、きちんと各市町村の相談窓口に相談してから申請を行うようにしてください。